出禁のこと。

出禁というのを知っているだろうか。要するに入店禁止のことである。入禁ではなくて、出禁という表現なのは不思議ではあるが・・。
僕はここではあまり発言していないが、例えばツイッターであったり、職務上ではよく発言する言葉がある。「ルールなんてクソ食らえ」と。
常識以上のルールを強いるのは僕は大嫌いである。それはもちろん僕が非常識だから、たとえ普通のルールであっても真っ先に僕自身が破ることになることへの不安というのも大きい。
もちろん人間が社会的な活動を行う以上、一定のルールが必要なことは理解しているし、それはとても大切なことだと考えている。何も常識を破ることをどうのこうのと言うのではなく、ローカルルールといわれる、小さなルールをすぐに決めようとする、その姿勢に僕は大いなる疑問を感じるのである。
仕事では、僕はルールを守る側でもあるが、決める側でもある。自分に納得がいかないことがあれば、ルールを作り、それを関連する人たちに守らせようとすることはおそらく簡単である。そしてそれは、さも常識っぽくルールを決めることだって可能だろう。そしてそれは、通常罰則とセットになっていることが多い。
例えば挨拶の声が小さかったら、バツとして掃除をする、とか。誰がどのような意図でルールを決めるのか分からないが、とにかく僕はこの手のことが大嫌いだという話。
コミュニティが小さくなると、その小さなコミュニティを「維持する」という目的で様々なルールが作られる。そしてそれを破った場合のペナルティが出禁であることがほとんどである。
僕はかつてゲイコミュニティのサークルに参加していたことがあった。そしてイベントの日を勘違いしており、当日に無断ですっぽかしてしまったことがある。イベント終了後になって「なんで今日来なかったの!連絡もしないで(怒)」という電話がきて初めて気づいた。
結果としてそのコミュニティからは出禁になってしまった。何度となく謝罪をしたり、僕が想像できる範囲でのフォローなども行ったつもりではあったが、決定がひっくり返ることは無かった。
※ちなみにBBQだったと思うので、直接的な迷惑をかけるというよりは全体的に迷惑をかける感じだったと思います。
この決定に僕が不満を感じている訳では決してない。そうではなくて、このコミュニティのルールがあり、そのルールの最高の部分には出禁という選択肢があることにすごく恐怖を覚えているという話である。
何かのペナルティを必要に応じて与える場合、それが本当に妥当なのか。それはすごく難しいことでもある。
コミュニティを維持するために、時には強権的なことが必要だという考えは理解できる。しかしその強権的であることが、どこまで妥当なのかという検証が行われているのか。そもそもその検証は放棄され、属人的なことに依存しているのか。正直なところ僕にはよく分からない。し、それは決して強権的なことではなく、熟考に熟考を重ねた結果だと信じたいが。。。
お店に損害を与える場合や、著しく雰囲気を壊す場合、、、例えばそれは静かなお店でうるさいとか、若い子へ向けたサービスをオジサンが利用するとか、その逆とか。
そういう場合に、「いることが不適当」という理由で、積極的な出禁というのは分かる。しかしそうじゃない出禁もあり得るような気がして怖い。
僕は結局のところ「悪い人はいない」というのを強く信じている。だから出禁という考え方とは相性が悪いのは事実である。僕であれば「不適当なので自粛を促す」というのが、おそらく僕のする実質的な出禁だろうと思う。
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