ちょっと険悪になったときのこと。その1

僕はけんかをしない。それはとても大切なことだと考えている。
しかし。文句は言う。主張もする。相手が気分を害することもあるだろうし、そのような状態をけんかというのであれば、それはそうかもしれない。
ただし僕は一時の気分で、何かを主張しないようにしているし、それは生活においても仕事においても非常に重要なことだと考えている。
時には感情とともに何かを吐露することを、魅力的とか人間的と表現するのかもしれない。しかし一時の感情の高低で自分の主張が都度変わってしまうのことや、表現が必要以上に強くなってしまうことは、愚かなことであるとさえ僕は思っているのです。
しかし当然、主張が主張だけで終わるばかりではなく、時には険悪な雰囲気になることもあって、それが今回起きてしまったのでいくつかのまとめ。
旅行はけんかが起きやすい。そのように聞いたことがある。むしろ日常を離れている訳だから、けんかが起きるなどとは無縁のように考えていた。しかし事実はどうやら違っていたようである。確かに思い返してみれば、けんかというか、険悪な雰囲気になるときは、確かに旅行中は多いように思う。
たとえば食事。たとえば出かける施設。それらについて、お互いの考えが100%一致することは難しく、それでも必ず二人で一つに一致させなければならない。そういうときに、意見の不一致、そして不満の蓄積はけんかになりやすのではないか。
食事。僕はやっぱり旅行先での食事はこだわりたい。べつにおいしいものである必要は無いし、ご当地のモノである必要も無いと考えている。しかし僕の住んでいる東京は、食事のクオリティが全体的に非常に高い。おおむね価格と味は比例関係にある。高い食事はおいしい。安い食事はそこそこ。もちろん、安い食事の中には、おいしいものとまずいモノもあるし、もちろん高い食事も同じ。しかし味に関する「大きなハズレ」は、安いところに多い。
旅行先での食事。非常に難しい事だと思う。観光地価格と言われるように、東京であれば決して1000円を超えてはならないような食事が、ひどいところでは1500円などの価格設定になっている。僕は高くてまずい食事だけは絶対に、絶対に避けたいと考えている。それは確実に、僕らお客のことをバカにしていることに他ならないから。
彼と食事の好みはなかなか合わない。だから旅行先で、何をどこで食べるのか。非常に難しいところである。また、彼はそういう選択のセンスがほとんどない。彼に主導で選んでもらうと、毎回・・とまでは言わないが、高くてまずい店にぶつかることも多い。しかも好みも合わないことと相まって、「うーん。まあそれでもいいかぁ」などという軽い気持ちでお店に入ると大変なことになる。そんなに食べたくもない、高くてまずい食事を無理矢理食べなければならないことになってしまう。
最初の頃は、そのセンスのなさを指摘した。しかし彼も元々主導的にお店を選びたいわけでもなく、「かお。がどこでもいいって言ったんでしょ」という話になる。僕は選んだからにはその責任が生じると思うが、それを彼に押しつけるのも変な話である。だから最初の数店舗で同じようなことがあってから、僕は彼に頼らないか、もしくは自分が納得して、場合によっては(彼の選択だったとしても)「自分が行きたい」から、そこにしたと強く考えるようにしている。そうすれば、たとえ最低の店であっても、自分の責任として処理できる。
※ちなみに、「センスのなさ」については、その責任は大きい。仕事でもそうだけど、仕事ができない人は、仕組みや周りの責任。だけど運がない人は、その人の責任である。
ちなみに彼が選択で失敗しないのは(=価格とクオリティが一致しているのは)ホテルである。ホテルは安いところはその程度。それは広さや設備の新しさ、空調や食事、水回りや冷蔵庫など、細かいけどそれを感じる場所は多い。
なんだけど、僕が今までで一番よかったと思ったのは、3連休の当日に、急遽旅行を決めた時に使ったペンションであった。通常の考えで言えば、3連休の当日まで空室のある宿泊施設は、もう言うまでもない、最低のハズである。しかしそのときは、僕が結果的に主導で(そしてまったく期待してなかったけど)非常にいいところであった。引きの強さという運はやっぱり重要だと思う。