過去の日常

ゲイ・バイとして過去のまとめ。30代の悩み。考え。日記。30代のカップルです。

伝えることと伝わること

   

カミングアウトについては、三部作で終わりにする予定でした。が、いくつかの興味深いお話を頂いたこともあって、今回もちょっと言及したい。

誰かに何かを伝えるとき、その情報が正しく伝わる保証は全く無い。だから例えばビジネスの世界では、最低限の内容については契約という形で、書いて約束を結ぶわけだし、社会を生きていく中では、それは常識をよりどころにするかもしれない。

カミングアウトについても、同種の問題が発生する。

ゲイであることを伝える時に、それが誤解が無くすべて正しく伝える・伝わると期待することは一種の無謀では無いかと考えている。

いくつか思いつく部分というのはある。例えば僕の説明するゲイと、ゲイのほとんどが感じるゲイというのは違うかもしれない。そう言う意味でも僕自身がそれを説明するために口を開いた瞬間から誤解は生じる可能性がでてくる。

もちろん僕自身の気持ちや考えを、より忠実に慎重な言葉を使ってそれを説明しても、まだ誤解は生じる。例えばそれは言及していない部分での誤解かもしれないし、すでに持っているイメージからくる誤解かもしれない。

例えばゲイと宣言することによって、それを聞いた人は「女性言葉を使ってないじゃん。家族の前では使ってないけど、ホントは使ってるんだよね?」という誤解かもしれない。
極端な場合であれば、それって病気なの?とか、治るの?とか。

これはもう仕方の無いことだと思う。

そしてこれは派生した別の問題を生む。僕→友人→友人 という伝達が行われる可能性である。僕から友人に説明するとき、それはなるべく事実を伝えるし、そこから生じる誤解というのは、そこまで大きくならないだろう。しかし友人が友人にそのことを伝える時、そこには恐ろしいほどの誤解が含まれる可能性がある。

一つは、おもしろ半分という人がいるであろうこと、事実をよく知らない人が噂をすることによって広まる話。それが、僕の無視できる範囲であれば、問題無いと思う。しかしそうも言ってられない状況になる可能性もある。

それについて、僕としては友人を選んで伝えるので、そこから広まることは基本的には無いと考えている。しかし「それは絶対に無い」という意見もある。であるならば、そこから広まるのは仕方が無いのではないか。思いつく具体的なデメリットというのがあまり想像できない。
※ちなみに今まで伝えた数名から他に漏れたことがない(漏れた事実を知らない)ので、今後もそれを想像してしまう。

僕は他人の行動をコントロールしたいとは思っていないし、できるとも考えていない。だから僕が友人たちに伝えた後、その友人がどのような行動を取るのかについては、友人にゆだねるしかない。そしてその考えは今までにおいてはうまくいっていた。

これからは職場でもある程度はオープンにしていくことも視野に入れているので、(少なくとも部下には伝えた方がやりやすいような気がするし)
意図しない形で、伝わることもしっかりと考えていきたい。

 - 考え(ゲイ関連)