親に言いました。

ここ数回の記事はカミングアウトのことが多いですね。
ということで、今回もまた言いました。そしてその相手は親でした。(ちなみに母親に言いました)
まず、今までのカミングアウトと、今回のそれは大きく意味が異なっています。
今までは僕が言う必要があると考えていたのです。年齢などを考えたときに、そろそろ結婚という判断をするのは不自然では無い年齢になりました。そして友人たちには恋人がいる旨を伝えているので、なぜ早く決断しないのだろうか。そのような会話の流れになるのです。
そこで、こういう事情なんだよ。そういう意味で、現状を伝えるのは僕にとって必然でした。
一方で、親に対してのそれは、そこまで事実を伝える必要がないと考えていました。結婚などの選択は僕の自由な判断にゆだねてもらうしか無く、それが親の望む方向性と違ったとしても、親はそれをどうにもすることはできません。
そしてまた現状を、事実を僕が伝えたとして、それを受け入れたり、それについて考えさせることは、とても酷なことだと思っていました。年齢的なことを考えても、それができるのかについても、若干疑問があったのも事実です。
だから僕は、積極的に言うつもりも無く、また言わないだろうと考えていました。
そんな中で僕にとって、新しい考えに触れる機会がありました。
ゲイのカミングアウトをテーマにした書籍ですが、それはとても葛藤がある中で、それぞれ方がそれぞれの決断をしていました。
僕にとってのカミングアウトは、そこまで葛藤が生じることでは無く、どの程度まで友人や交友関係に事実を伝えるのかという程度で、あまり悩んだことや考えたことはありませんでした。
友人にカミングアウトをしている人はたくさんいました。しかし親となると、相当に勇気がいるというか、「言わないだろう」 / 「言えない」と考えている人も同様にたくさんいたのです。
なるほどそこまでみんな葛藤があったり、悩んだりするのか。と。僕は初めてそのときに考えることになりました。
じゃあ、僕は伝える事について、葛藤や悩みはありません。みんながそんなに言いにくい事なら、率先して言ってもいいな。そのように僕は考えました。幸いなことに、事実を伝えたときに親がそれを受け入れられるかについては、まったく想像がつかないけど、結果としてそれなりにいいところに落ち着くだろう自信はありました。僕は家族と今までもそのようにして過ごしてきたので、その辺は何となく分かります。
また、もし自分の行動が社会の空気を変える事になるかもしれません。もし僕の行動や、それ以外の同じような人たちを見て、自分も伝えてしまおう。そのように考える人が一人でも増えるのであればとても素晴らしい事だと思います。
だから僕は今回親に言ってしまうことにしました。
定期的に母親と食事をしている僕ですが、そのときも今までと同じように食事に誘いました。(ちなみに父も健在ですし仲良くしていますが、外食は好まないようで、誘ってもこないため、母+妹がいたりいなかったり。というのがほとんどです)
すでに妹たちには伝えてあるので、家族で知らないのは、父と母だけです。
僕「あのー。恋人の話を今まで “いる” とは言ってて、そこそこ期間も長いという話もしてたと思うんだけど。」
母「うん」
僕「恋人って言うのは男性なんだよね」
母「あらそうなの?」
という流れでした。
「わたしに言ったということは、お父さんに言ってもいいの?」
「ん。べつに隠すような事じゃ無いから、その判断は任せます」
ということと、
「恋愛って言うけど、手をつないだりとか、性的な事とかどうなってるの?」
「男女と一緒だよ。一緒にいたいって思うことは普通にあるのはもちろんだけど、手をつないだりとかキスしたりとか、それ以上の事も含めて普通の恋愛をしてるから、相手が男性っていうのはあるけど、単純に性別が違うだけだよ」
さらに
「あなた女性だめだったの?」
「俺はどっちも大丈夫だから、今の相手が男性ってだけだね。だからもし、今のような相手が女性だとしたら、ここで話をしていることは、結婚とかそういうことだったかもね」
という感じでした。
もう少し、家族ゆえの配慮の少ない辛辣な意見や、感想、質問があればおもしろかったのですが、そういうことも無く、普通に終わってしまいました。